第11章 18年後のアルマーの父 559話
アルマーは父と会った。
父はアルマーと同じ青い目をしていた。
年の頃は八十近い。
小さな礼拝堂の中で、アルマーは静かに跪いた。
おとうさん。
父。
お父上。
なんと呼べばよいのかわからなかった。
神父が先に口を開いた。
「アルマー」
アルマーは顔を上げた。
「お父様……」
神父はしばらく娘を見つめた。
「長い間、会おうともしない父を許してくれ」
アルマーに言葉はなかった。
沈黙だけが礼拝堂を満たした。
長い、長い沈黙だった。
やがてアルマーは言った。
「お父様。私は幸せに暮らしております。これも神とお父様のお導きによるものと思っております。どうかご心配なさらないでください」
神父はうつむき、静かに涙を流した。
それ以上、二人は多くを語らなかった。
別れ際、神父が言った。
「お母さんのマリアも元気だ。私たちは今、一緒に暮らしておる。いつでも訪ねて来なさい」
アルマーは小さく頷いた。
「はい」