ドローンの功罪
今年は熊本県病害虫防除所の発表ではトビイロウンカの発生数は平年並みになっている。しかし巷ではウンカが多いとかでドローンによる消毒を頻繁に見る。恐らくドローン会社の戦略である。しかし実際日本ではウンカは多くなっていると筆者はみている。一番の原因は飼料米の作付けが食用米と同じ場所で植えられている事だ。ジャポニカ種はウンカの卵をある程度殺卵させる能力をもっているが、飼料米の様にインディカ種とジャポニカ種のハイブリッドは殺卵作用の遺伝子を失う。よってウンカが増える訳だが、その前に刈り取ってしまうので飼料米としては問題ないのだ。基本的に世代間増殖したウンカは羽がない個体が多く、他の田んぼに移動して被害を出すのは稀である。 さてドローンのウンカ農薬は基本的に殺虫剤だ。ウンカだけに効くものではなく多くの水田生物全てに作用する。除草剤で土手の雑草を枯らし、まるで砂漠で栽培している稲のような光景。生命のざわめきが聞こえない異常な光景は私の圃場のすぐ隣である。 おすすめの書籍「沈黙の春」 レイチェル・カーソン (Rachel Carson)