第12章 15歳のアルマー 560話
よしろうはんは夢から覚めた。長い夢は自分の死期や成長したアルマーや不二子はんの未来を見ていた。起き上がって彼はこう思った。
「また内容が変わっていたわ。まあ悪いもんでもなかったかもな」
アルマーと不二子は炊事場で楽しげに朝食の準備をしている。いつもの和やかな景色だ。
「おはようさん」
「おはようさんどす。よしろうはん」「お父さんおはようございます」
「おうおう、きょうもええ匂いや、ぼく様がコーヒー淹れるで」
へー
「お父さん。冷たいレモン水が冷蔵に冷えてます」
「おーそうか それも頂こう。ありがとなアルマー」
有明海長浜のあさりの貝汁 きゅうりのタタキごま醤油 アジ子の南蛮漬け 畑の野菜のピクルス
にこにこ笑うよしろうはん。
べっぴんさんを毎日見て暮らすのはさぞご機嫌なんだろう。
彼は今朝の夢を頭の中でリプレイしていた。
終わりを知れば、いまがどんなに幸せなのか。そしてどんなに大切な時間なのかを感じていた。そしてそれはだれにでも当てはまるものや。知るのも悪ない。