第11章 十七年後 557話

美しい娘になったアルマー。

よしろうはんは毎日笑顔で暮らしていた。

「不二子はん。娘は綺麗やな」 

へー

「毎日そればっかりや(笑)」

せやねん

「不二子はん、娘の父親の国 フィンランドへ行かへんか」

へー

「行きましょう」 

「息子もそこへ留学させた。美しい国だという。ぼく様も見て見たいわ」

へー

「そうどしたな。19代目は正真正銘の江戸っ子で育ってはる」

「アルマーも17歳か、ええ年頃や。自分のルーツを教えるのもいい」

「まだ、田んぼがあるえ?」

「そやな。そやけど思いついたが吉日。不二子はん。アルマーと先に旅立ってくれ、ぼく様はあとで行くから」

へー

「アルマー、おいでさかい」

「はい。お母様」

「アルマー、あなたの父の国へ行きましょ」

「父?」

そうであった。アルマーは本当の父のことを何も知らなかった。

「おとうさん。私の父はどんな方なんですか?」

そうやな

「神父さんでフィンランドで生まれた方や。アルマー。ぼく様も知らんねん。ごめんな」

「そやからお父さんがうちとフィンランド見てこいと言ってはるねん」

しばらく遠くを見つめるアルマー

「はい、しかし私は行きません。できることなら父に会いたいです。父はこの日本にいますから」

不二子とよしろうはん。

静かにアルマーの心中を見つめていた。

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