無施肥について 確かめるべき可能性
近年の米の品種には多収米が多く、それ故、適切な施肥があってはじめて、その収量を発揮できる。 これは逆に言えば、無施肥では収量が低くなるということであり、これまでの栽培経験からも、それを実感している。 一方、古代米に近い品種になるほど、施肥を行わなくても立派に育つ傾向がある。 今年の赤米「神丹穂」がその一例である。 同じ無施肥圃場に、多収・良食味米である「つきあかり」と一緒に植えているが、つきあかりは予想以上に分げつ数も穂長も少ない。一方、神丹穂は立派に育ち、平均で30本ほどの分げつがあり、穂長も23cmほどに達している。 この結果を見ると、無施肥圃場を維持するためには、「京都旭」など、古い系統の品種を再び栽培することも検討する価値がある。 無施肥の最大の魅力は、やはり食味である。 炭水化物の表面に付着するタンパク質が極端に少なくなるため、香りがよく、甘すぎず、食感もすばらしい。また、米が古くなっても、食味の低下が緩やかに進む。 無施肥には、収量だけでは評価できない、捨てがたい魅力がある。