第11章 出迎える 551話

宿に戻ったのは夕方やった。

よしろうはんが入口に立っとった。 腕を組んで、山の方を見とった。 不二子はんの足音を聞いて振り返った。

遅かったな。

心配しとったんですか。

してへん。 待っとっただけや。

よしろうはんはそう言うて、中に入った。 不二子はんもついて入った。

食堂の隅の席に座った。 お茶が来た。

どうやった。

不二子はんはお茶を一口飲んだ。

修道院は廃墟でした。 誰もおらんかった。 けど、記録が残っとった。 帳面に名前がありました。 マリアと、アルマー。 生年も書いてあった。

よしろうはんは黙って聞いとった。

それだけか。

それだけです。 今日分かったのはそれだけ。

そうか。

よしろうはんはお茶を飲んだ。 窓の外はもう暗かった。

次をどうする。

分かりません。 まだ。

不二子はんは正直に言うた。

よしろうはんは何も言わんかった。 それでええという顔をしとった。

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