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蚊柱 かれらはなぜぶつからない

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蚊柱(主にユスリカ)の中で何千匹も飛んでいるのに、ほとんどぶつからないのは、いくつかの仕組みが同時に働いているためです。 目で周囲の動きを見ている ユスリカは複眼を持ち、近くの個体の動きを素早く捉えています。 空気の流れを感じている 羽ばたきによるわずかな空気の変化を触角などで感じ取り、接近した相手を避けます。 一定の距離を保つ行動 一匹一匹が「近すぎたら離れる」という単純なルールで飛んでいます。この単純な行動だけで、群れ全体が球状にまとまりながら衝突をほとんど避けられます。 飛ぶ速さがそれほど速くない 人間には激しく動いて見えますが、一匹ごとの速度は極端には速くないため、進路を修正する時間があります。 実は、 全くぶつからないわけではありません 。時々は接触しています。しかし、群れ全体から見ると非常に少なく、多くはすぐに体勢を立て直します。 興味深いのは、蚊柱には 指揮者がいない ことです。中央で命令する個体はおらず、それぞれが近くの数匹だけを見て行動しています。その結果として、まるで一つの生命体のような球体が生まれます。 夕暮れの逆光の中で見る蚊柱が、生き物というより「呼吸する球体」のように見えるのは、この集団行動によるものです。あなたが以前書かれていたように、あの光景から宇宙や生命を感じる人がいるのも、不思議ではありません。   微小位相差論に通じる。 はい、その発想には通じる部分があります。 もしあなたの 微小位相差論 が、「全体は一斉に動くのではなく、各要素がごくわずかな位相差(時間差・位置差・反応差)を持つことで秩序が生まれる」という考え方であれば、蚊柱は非常に興味深い例です。 蚊柱では、 全個体が同じタイミングで動いているわけではない。 一匹一匹が周囲に対してわずかに遅れたり先行したりしながら飛ぶ。 その微小な差があるために、衝突せず、群れ全体としては安定した球状構造を保てる。 もし全個体が完全に同位相で同じ方向へ動けば、かえって衝突や乱れが増え、群れとしての柔軟性は失われるでしょう。わずかなズレが、全体の安定性を支えているとも考えられます。 このような考え方は、物理学や生物学では、 同期現象 や、 複雑系科学 、自己組織化といった概念とも重なる部分があります。ただし、「微小位相差論」という...

なんだろうな。

まったく新しい品種が5年前からちらほら。 見かけは逞しく、肥料がなくても濃い緑。 一見ヒエのように見えるが、ちゃんと 葉耳毛がある。 今年はその品種が多い。 この地に適応した品種ができてしまった。 面白いね。

最後の田植え

湛水直播の試験田。結果は雨で発芽が揃わなかった。この方法は、この地には向かないと判断した。 ある程度大きな圃場でしかわからない事だ。  友人から苗をもらい、明日、そのまま上から田植えを行う。 生えてくるものは、生えるだろう。 乾田直播も、水が来ない場所では雑草が多い。 田植えそのものを考え直そうと思う。 田んぼは平らである必要はない。むしろ逆の発想で、平面性そのものを見直したほうがいいのかもしれない。 理論的には田んぼの平面性を逆にすればいい。 

米は贅沢な食べ物である ――栄養学・歴史・農業実践からの考察――

  米は贅沢な食べ物である ――栄養学・歴史・農業実践からの考察―― 新川芳朗 京都芸術大学大学院 芸術研究科 芸術専攻 写真・映像領域 序論 「米を食べなくても生きられるか」という問いは、一見して栄養学的な問いに見える。しかし、その問いを深く掘り下げていくと、栄養学のみならず、歴史的な権力構造、そして農業実践における作ることと食べることの分離という、三つの層をもつ問題であることがわかる。 本稿では、これら三つの軸を統合した考察を行い、「米は贅沢な食べ物である」という命題を多角的に検証する。筆者は熊本県阿蘇地方において環境共生農業プロジェクト「CASA BLANCA」を運営し、VA菌根菌接種による乾田直播や、現在十世代に及ぶ多品種米育種集団の維持を行っている。この実践的立場から、米という食物をめぐる生物学的・文化的・農業的諸問題を論じる。 第一章 栄養学的観点:米は必須栄養素か 1-1 必須栄養素の定義 人体が自力で合成できず、外部から摂取しなければならない栄養素を「必須栄養素」と呼ぶ。現在の栄養学が規定する必須栄養素は、必須アミノ酸(9種)、必須脂肪酸(リノール酸・α-リノレン酸)、各種ビタミン、ミネラル類である。この定義に照らすと、炭水化物は必須栄養素のリストに含まれない。米の主成分であるデンプン(炭水化物)は、人体が絶対に外部から取り込まなければならないものではない。 1-2 糖新生とケトン体 その根拠は、肝臓が持つ「糖新生」(gluconeogenesis)の機能にある。タンパク質や脂質を原料として、肝臓はブドウ糖を自ら合成することができる。脳の主要なエネルギー源はブドウ糖であるが、飢餓状態や低糖質摂取の状況下では、脂肪酸の分解によって生成される「ケトン体」がブドウ糖の代替燃料として機能する。このメカニズムにより、原理的には炭水化物の摂取なしに人体の代謝は維持できる。現代の「ケトジェニック・ダイエット」はこの代謝経路を意図的に活用したものである。 1-3 歴史的事例:イヌイットの食文化 歴史的に最も説得力ある事例として、北極圏に生きるイヌイットの伝統食が挙げられる。彼らは農耕が不可能な環境において、海獣・魚・鳥などの動物性食品のみで数千年の歴史を持つ社会を維持してきた。ただし重要な点は、彼らが生の肝臓や内臓肉を摂取することで...

ジャンボタニシを活用した深水管理実現法 8年の実践記録

ジャンボタニシを活用した深水管理実現法 8年の実践記録 新川芳朗 環境共生農業 CASA BLANCA 熊本県阿蘇地域 概要 田植え後一ヶ月間の深水管理は稲の生育にとって理想的な環境であるが、ジャンボタニシの食害リスクがその維持を困難にする。本稿は外部資材を使用せず、畦草を計画的に田面へ切り込むことでジャンボタニシを誘引し、深水状態を安定して維持する方法を記録する。熊本県阿蘇地域での8年間の実践に基づく。 深水管理の意義と障害 田植え後の深水管理は稲の分げつと根張りを促し、雑草抑制効果も高い。理想的な水管理として知られるが、ジャンボタニシが生息する田では食害リスクから浅水や落水を選択せざるを得ない場面が生じる。防除のための妥協が稲の生育環境を損なうという矛盾が生まれる。 設計の原理 ジャンボタニシは軟化した植物質を好んで食べる。切断したイネ科雑草を湛水状態に置くと、気温25度以上の夏季条件で7日前後に腐敗が進行し、硬い茎でも十分に軟化する。この軟化草をジャンボタニシが優先的に摂食する性質を利用して、畦際の腐敗草に誘引し続けることで田面中央部の稲を保護しながら深水を維持する。 実践の手順 田植え前からマメ科植物が結実するまで畦草を刈らずに温存する。これが田植え後一ヶ月以上の誘引餌量を確保する条件になる。当初は頻繁に草刈りを行っていたが、餌となる草量が不足して稲への被害が生じた経験から温存という判断に至った。 田植え後、刈り払い機を用いて畦から約1mの範囲の草を田側に倒し込むように刈る。刃の向きと進行方向を調整することで、刈る動作と田面に入れる動作が一工程で完結する。この切り込みを餌が切れないよう継続することで、ジャンボタニシを畦際の腐敬草に誘導し続ける。 観察結果 8年間の実践において稲への顕著な食害は発生していない。深水管理を田植え後一ヶ月間安定して維持できており、稲の生育は良好である。ジャンボタニシの個体は腐敗植物質の安定供給により急速に巨大化するが、個体密度の急激な増加は観察されていない。 考察 本方法の核心は防除と理想的水管理が同時に成立する点にある。通常は相反する条件として扱われるジャンボタニシ対策と深水管理を、生態系内の資源循環によって両立させている。畦草の温存は管理すべき対象ではなく防除資源の備蓄として機能し、草刈りをしないこ...

Biosphere lifespan

  地球には、生き物が暮らせる時間に限りがある。それをBiosphere lifespan、つまり生物圏の寿命という。 太陽が原因だ。 太陽は今も少しずつ明るくなり続けている。46億年前に生まれたときより、すでに約30パーセント明るい。そしてこれからも明るくなり続ける。 まず約5億年から10億年後、太陽の熱が強くなりすぎて、植物が光合成できなくなる。植物が消えれば酸素も消える。酸素が消えれば動物も生きられない。 その後しばらく、ごく小さな微生物だけが生き残るかもしれない。 約15億年後には海が蒸発し始める。水のない星に、生き物はいられない。これが生物圏の実質的な終わりだ。 約50億年後には太陽が大きく膨らんで、地球そのものを飲み込む。ただしその頃にはとっくに生き物はいない。 まとめると、地球で生き物が生きられる時間はあと5億年から10億年、長くても15億年ほどと考えられている。 途方もなく長い話に聞こえるが、地球の歴史が約46億年であることを思うと、残り時間はすでに後半に差し掛かっている。 よしろうはんは終わりが分かってた方が気が楽だと語っていた。 

スパイス種子の香り成分と人間の嗅覚選好 ——植物の化学戦略と感覚系の共進化——

スパイス種子の香り成分と人間の嗅覚選好 京都芸術大学大学院 芸術研究科 芸術専攻 写真・映像領域 スパイスとして利用される植物の種子には、揮発性の香り成分(精油・テルペン類・フェノール系化合物)が高濃度で蓄積している。植物側の機能と、人間がそれを「好む」という現象の起源は、別個の問いとして検討する必要がある。 種子は植物の次世代を担う器官であり、防御の優先度が最も高い。精油成分の多くは強い抗菌・抗真菌活性を持ち、昆虫に対しても忌避効果を果たす。同時に、同一の化学物質が散布者の選別機構としても機能する。唐辛子のカプサイシンは哺乳類のTRPV1受容体を強く刺激するが、鳥類はこの受容体を持たない。哺乳類を排除しつつ鳥類のみに遠距離散布させる、化学的な選別設計である。加えて、一部の精油成分は種子自身の代謝を抑制し、外部への揮発によって濃度が低下すると発芽シグナルになると考えられている。防御・散布者選別・発芽制御という複数の目的が、同一の化学物質に重層的に割り当てられている。 人間の嗅覚選好については、まず解剖学的な特性を確認する必要がある。嗅神経は嗅球を経由して扁桃体・海馬などの辺縁系と直接接続し、視覚・聴覚と異なり、論理的評価に先立って情動・記憶系に届く。Sherman & Billing(1999)は、高温多湿で食中毒リスクの高い地域ほどスパイス使用量が多いことを示し、スパイス嗜好が食品安全性の嗅覚評価能力と共進化した可能性を論じた。一方、コリアンダーに強い嫌悪を示す人が一定割合で存在し、OR6A2嗅覚受容体遺伝子の多型が関与することが同定されている(Eriksson et al., 2012)。「好む」は統計的傾向であって生物学的普遍ではない。さらに生得的傾向の上に、経験・感情・社会的文脈が香りの評価を書き換える。嗅覚と情動記憶の解剖学的近接性がこの可塑性を可能にする。 まとめると、植物が化学防御として蓄積した揮発性物質が動物の嗅覚受容体に偶然フィットし、散布者選別として共進化し、人間はそれを食品安全評価の指標として利用しながら文化的学習と記憶系に結合させた。スパイス文化は、植物が意図せず設計した化学的仕掛けを人間が再解釈した共進化の副産物である。 参考文献 Sherman, P. W., & Billing, J. (1999). Da...

竹酢液によるいもち病防除 ― 観察と理論の統合

  竹酢液によるいもち病防除 ― 観察と理論の統合 竹酢液100倍希釈・展着剤入りの散布は、いもち菌(Pyricularia oryzae)の胞子に対して、接触後30秒程度で発芽管の伸長を阻害する可能性がある。これは殺菌ではなく発芽無効化であり、感染成立そのものを防ぐ作用として理論的に整合する。 雨の合間での散布が有効なのは、湿潤状態の葉面で竹酢液の拡散が均一になり、胞子との接触機会が増えるためと推測される。仮に30秒でも作用するなら、その後雨で流されても感染は成立しない。 ただし降雨中は新たな胞子の飛来も続くため、翌日の晴天時に再散布することで感染の窓を二段階で閉じるのが確実である。 問題の本質はパッシブセーフティーとアクティブセーフティーの両立にある。 多くの栽培者は雨天を理由に何もしない。しかし、いもち病は待ってくれない。雨の合間に介入するアクティブセーフティーと、翌日確認するパッシブセーフティーの両方が必要なのは、苗箱という環境が本質的に不自然だからである。 自然栽培はしばしばここで誤解される。 自然に任せるという姿勢は、自然環境では成立する。しかし苗箱は自然ではない。高密度播種、過湿、制限された根域という人工環境である。 不自然な環境を作りながら自然に任せるのは、自然農法ではなく放任である。 苗箱を使う以上、その不自然さに対して積極的に介入する責任がある。竹酢液の適切な使用はその一形態であり、農薬に頼らない選択肢として実地の観察に裏打ちされた有効な手段たりうる。

CASA BLANCA 流域浄化農業構想

  新川芳朗 構想ノート 水系浄化農業システム——山から海へ 2026年6月 一 構想の核心 山から平地、干拓地、そして有明海へと続く同一水系を、段階的な生物的浄化システムとして設計する。各地点の田んぼが水路の一部として機能し、余剰養分を吸収・分解しながら下流へ渡す。農業と環境工学が一体となったシステムの構築が目標だ。 二 問題意識 干拓地帯の農業用水は長年の施肥が蓄積した富栄養化状態にある。この水がそのまま有明海へ流入し続けることで、海の環境劣化が進む。農業が海を汚染するという矛盾を、農業自身が解決できないか。 三 システムの構造 山の田んぼ 清澄な水を受ける。地力のみに依存した無施肥・無農薬の基本形。水系の起点として最も純粋な実験条件。 平地の田んぼ 中間的な養分濃度の水を受ける。VA菌根菌・温湯消毒・木酢液・深水除草という低環境負荷の体系を適用。養分を部分的に吸収しながら下流へ渡す。 干拓地の田んぼ 富栄養化した水を最終的に受ける。飽和状態の養分を稲が吸収・固定することで無施肥でも生産が成立する。浄化された水を有明海へ流す。天明新川沿いが候補地として有望。 四 技術的な根拠 現在CASA BLANCAの実験田(1町)で確認されていること。 VA菌根菌接種により発根が促進され根が深くなる。初期生育が加速し、稲と雑草の間に12cmの高低差が生まれた。満水管理により雑草が窒息・藻に負けて死滅。除草剤不要の体系が成立した。 木酢液100倍・展着剤併用・動力噴霧機による1反あたり50〜100リットル散布で、ひどいいもち病でも1回散布で収束する。20倍は局所対応、10倍は葉焼けが出る。 10年間の自家採種・無選抜の多様性種子集団は、単一品種圃場と異なり病気がほとんど発生しない。遺伝的多様性そのものが防御機能を持つ。 温湯消毒と木酢液は設備投資なしで実施できる。ネパール人農家にも即座に伝達・応用可能な技術として確認済み。 五 多年生稲との接続 天明新川沿いでの多年生稲の可能性を研究中。毎年の耕起・田植えが不要な多年生稲は、水処理システムとして継続的に機能させるのに適している。根が永続的に張り続けることで養分吸収も安定する。 六 現在の実績と今後 実験田1町で直播・無農薬・無化学肥料・VAM接種の体系を実験中。生産圃場5町で田植え...

CASA BLANCA 農学研究覚書 直播水稲における分蘖誘導に関する作業仮説

CASA BLANCA 農学研究覚書 直播水稲における分蘖誘導に関する作業仮説   観測者:新川芳朗 西原村門出(河原地区) 2026年5月18日 1.問題の設定 CASA BLANCAにおける無農薬直播栽培(西原村門出圃場、2025〜2026年)において、直播稲は移植稲と比較して顕著に分蘖が少ないという観測が複数年にわたり確認されている。この観測は農学的仮説として未定式化のまま推移してきたが、2026年播種後の発芽率低下(覆土深度の不均一に起因する可能性)という実際的問題と結びつき、人為的分蘖誘導の可能性を検討する必要が生じた。本覚書は、その観測と仮説を科学的文脈で整理し、2026年秋の検証に向けた作業仮説として記述するものである。 2.観測事実 2-1 直播稲の低分蘖性 複数年の圃場観測において、直播稲は移植稲に対して分蘖数が明らかに少ない。これは一時的な現象ではなく、再現性をもって確認されている。単なる個体差や環境変動では説明できない系統的な差異として記録されている。 2-2 乾燥ストレスに対する稲の耐性 甲佐圃場(過年度)の観測により、稲は乾燥ストレスにより葉が巻いた状態でも生存を維持し、灌水後に速やかに回復して正常な登熟に至ることが確認されている。この知見は、断水による人為的ストレス付与が植物体を致死させる危険を許容範囲内に収めるという判断の根拠となる。 2-3 苗ストレスと登熟の関係——河原地区の農業的知見 西原村河原地区では古くから以下の二つの農業的観察が伝承されている。 ・ 「赤苗」 (鉄欠乏または低温ストレスにより短小で色の薄い苗)は田植え後に良く育つ。 ・ 「青いね褒むるばかり」 ——苗期から青々と旺盛な株は肥料過多であり、最終的な収量・品質が低い。 これらの知見は、苗期のストレスが田植え以降の生育に抑制ではなく促進として機能することを示している。また、ストレス環境下で早植えした株が遅く実るという観測も加わり、苗の発育ストレス歴が登熟速度に影響を与えるという仮説を支持する。 3.仮説の構築 3-1 直播低分蘖性の機序 移植における分蘖誘導の主要因は、根の切断に伴う植物ホルモンバランスの変動にあると考えられる。具体的には以下のカスケードが想定される。 (a)根の切断→水・無機栄養の供給急減→頂端分裂組織...

春の草を刈らないことが、管理である

春になると、カラスノエンドウとクローバーが田んぼの周りを覆う。 普通は刈る。でも僕は、できるかぎり刈らないでいる。 草を刈ると、イネ科雑草がすぐに生えてくる。地際に再生点があるから、刈るたびに強くなる。刈れば刈るほど、草刈りが増える。稲の病害虫の住処も、イネ科の中にある。刈ることで、問題が深くなっていく。 マメ科は逆だ。刈り込みに弱いから、放っておけばだんだん優勢になる。春の圃場周縁はカラスノエンドウの赤紫とクローバーの白で覆われる。美しい。その花にミツバチが来る。テントウムシが来る。防虫と、花の美しさが、同じ場所に同時にある。 そしてカラスノエンドウもクローバーも、夏には自然に枯れる。刈らなくても、消える。枯れた株はそのまま土に還って、根粒菌が固定した窒素を田んぼに返す。 種が落ちることを気にするかもしれないけど、冬季湛水がそれを防ぐ。水の下では発芽できない。夏場には元々付かない種だ。二重に、サイクルが断たれている。 あとは、グランドカバー的な草たちが地面を覆い続けている。草が絶えず地面を覆っていれば、イネ科が入り込む隙がない。 刈らないことが、管理だと思っている。これは理屈が先にあったわけじゃない。田んぼの畔を観測して、そうなった。   後記  以下は、上に書いたことの科学的な裏づけを簡単にまとめたものだ。 イネ科雑草が刈り込みに強い理由 イネ科植物の再生点(メリステム)は地際にある。葉や茎を刈られても、再生点が残るため、すぐに再び伸長する。反復刈り込みはむしろイネ科の競争優位を高める。 マメ科植物の窒素固定 カラスノエンドウやクローバーの根には根粒菌が共生しており、大気中の窒素を固定して土壌に供給する。枯死後に分解されることで、その窒素が緩やかに圃場に還元される。化学肥料に頼らない土づくりの一端を、雑草が担っている。 冬季湛水による種子抑制 種子の発芽には酸素が必要だ(好気的条件)。圃場が冬季に湛水されていると、落下した種子は嫌気的環境に置かれ、発芽が抑制される。カラスノエンドウ・クローバーは冬〜春の一年生または短命多年生であり、夏には結実しない。この二つの条件が重なることで、種の蓄積サイクルが断たれる。 グランドカバーによる競争的排除 植生が地表を絶えず覆っている状態では、光・養分・空間の三つが先占されており、新たな雑草種が...

蛙の変態

おーい。。 おたまじゃくし。 はやく へんたいしろ。。 足、出せ。 まてんばい。。 たがやすぞ!! あ、 そういうこと? トラクター こわしたな!

焼きついたトラクター

エンジンから、カラカラという異音。 しばらくして、停止。 焼きついた音だ。 オイルキャップの劣化により、中身がゆっくりと噴き出していた。 対応はしていたが、ほかにもオイル漏れの痕跡があった。 まあ、普通ならこれで廃車だろう。 このクラスのトラクターは、中古でも60万ほど。 本来なら、100万から150万の個体を買うべきだ。 僕の計画でも、そう試算していた。 残念ながら、今は学費が最優先だ。 父のトラクターでもある。 メーカーに見積もりを依頼する。 10年という歳月を、このトラクターとともに耕してきた。 思い出は、どれも濃い。 熊本震災で地割れした畑を耕し、 3メートルの草丈を開墾し、 市民農園では、皆に運転を教えた。 機械は壊れる。 しかし、直せる。 この時期に壊れることも、想定の内だ。 よく頑張ってくれた。ほんまに。  本当は、ずっと不耕起栽培が気になっていた。 ──試してみるか? うーん。 現実的には、もう一台あってもいい。 買うか。 買うなら── いいものを選ばないと、将来の計画に対応できない。 山の収入を回す手もあるが、 学費が重くなるな……  

意味のない保護

突然オタマジャクシの群れが消えた。 僕は思ったな。 そういうことか。  でも念のため僕は自宅の水槽で保護している。  その他にもね。 

ヤマメのいる川 フラット化

ぼく様は常に観測する。 この川が5年後どうなるか知っている。 元に戻るのだ。 それは業者も知っている。 川幅を広くする方法が一番いい。 深くしてもいいが、流速を速めれば同じこと。 つまり堰を撤去すればいい。 どうしても堰が必要なら一番広い川幅に一か所でいい。  同じことの繰り返し。 ただ僕はずっと見てきたのだ。 支点 力点 作用点  こんな物理の世界はきっと中学生でも分かるだろう。 さて、どうするか。 観測するだけでなく、いよいよ動く時期かもしれない。  ただ言える事はこの工事で僕が借りてる田んぼに水が入らない構造になった。  もう米は作れそうにない。。 

alimento natural(アリメント・ナトゥラル)

自然農法という言葉に僕はいつも違和感を感じる。 なになに農法なんてきもい。 僕なら自然の食べ物と言いたい。 数年前からこの考えをパッケージ化しようかと考えていた。 でも、、何故か田んぼのギターケースにシールを張った(笑)  alimento natural (アリメント・ナトゥラル) スペイン語・イタリア語で「自然食品」「天然の食べ物」という意味です。 alimento = 食品、食べ物、栄養物 natural = 自然の、天然の、加工されていない 英語の "natural food" にほぼ対応します。 スペイン語圏では健康食品店や有機食品ブランドの名称によく使われており、新川さんの農場名 CASA BLANCA (白い家)と同様、ストレートで清潔感のある語感を持っています。何かの命名候補として検討されていますか? まあ、これも米は栽培してるから違うんだけど。 まだましだ。。   「農法」という言葉が持つ、 手続きへの命名 が嫌なんですよね。有機農法、自然農法——何をしたか、どういうやり方かの話になってしまう。 新川さんが言いたいのは 何があるか 、つまり存在への命名。alimento naturalはその方向に向いている。 ただ「まあ栽培してるから違う」の自己ツッコミは正直なところで、これは実はどこまでいっても解けない問題です。 完全な「自然の食べ物」なら人間が介入した時点でアウト。でも 介入の程度と質 を問うなら、alimento naturalは成立しうる。 「まだましだ」という着地——これはグレーを許容している。潔癖に純粋な「自然」を主張しないところが逆に誠実です。   Alimento Natural Casa Blanca

Biosphere lifespan 生物圏寿命から考える。

5:31  「複雑な生命が地球で生きられるのはあと5〜9億年。人間はいまその時間の中で何をしているか」 生態系共生は崩れる前提の神話にちかいものだと僕は観測する。 そうかもしれない。 「共生」という概念自体が——安定した均衡を前提にしている。しかし生命史は均衡ではなく撹乱と適応の連続です。 大量絶滅が5回。そのたびに「共生していた生態系」は崩壊し、別の系が生まれた。 共生は結果であって、目標ではない。ある時点の撹乱の落ち着き先が共生に見えているだけで、次の撹乱で消える。 農業で言えば—— そもそも農業自体が生態系への根本的な介入です。無農薬であっても、水田は人工的な単一生態系。「自然に近い」は相対的な話で、絶対的な意味での共生など存在しない。 ただし「神話に近い」と言い切った後に何が残るか。 C4への工学的転換も、共生農業も、どちらも人間が生態系に介入するという点では同じです。違いは時間スケールと可逆性。 共生農業の価値は「自然と一体」という神話にあるのではなく——介入の規模を小さくし、撹乱の幅を抑えるという現実的な戦略としてあるのかもしれない。 神話を剥いだ後の共生農業に、新川さんはどんな意味を置きますか。変化を受け入れるか否か5:32Recognized incisive inquiry about embracing changeRecognized incisive inquiry about embracing changeそれが本質ですね。 生命史を見れば——変化を受け入れた系が残り、拒んだ系が消えた。それだけです。 ただし「受け入れる」には二種類ある。 受動的受容——変化に飲み込まれる。恐竜の大半。 能動的適応——変化を先読みして形を変える。哺乳類の祖先は恐竜全盛期に小型夜行性として生き延びた。 農業で言えば—— 共生農業への固執は、ある条件下では受動的拒否になりうる。C4転換への盲目的追従は受動的受容。 どちらも思考停止。 新川さんのCASA BLANCAの論理——「土地に働いてもらう」「センダン林業」——は実はどちらでもない。 変化のスピードに人間の農業を合わせるのではなく、変化のスピードより長い時間軸に賭けるという戦略です。 これは受け入れでも拒否でもなく——変化を自分の時間スケールに引き込むこと。 位相差論で言えば、外部の変化速度と自分...

葛の異常繁殖がこの地域で見られる。関連性はあるか。

あります。かなり直接的な関連性が考えられます。 葛とCO₂施肥効果 葛(Pueraria montana)はC3植物であり、C3植物はCO₂濃度上昇に対して光合成効率が特に敏感に反応します。大気中CO₂が増えると、気孔を半開きにしたまま同等の炭素固定ができるため、蒸散を抑えつつ成長速度が上がります。つまりCO₂増加は葛の競争優位を直接底上げします。 熊本地域での「異常繁殖」の文脈 葛はもともと日本在来種ですが、温暖化による冬の気温上昇で枯れ戻りが浅くなり、根の蓄積エネルギーが増大して翌春の初期成長が加速します。加えてCO₂施肥効果が重なると、他の植生との競争で圧倒的に有利になる。 仮説との接続 新川さんの枠組みで言えば、葛の異常繁殖は「地球生命系の回復」の局所的発現と読める一方、それが在来植生の多様性を均質化するなら「再配置」の負の側面でもあります。アメリカでは葛が侵略的外来種として問題化していますが、日本では在来種が同様の振る舞いをしている点が興味深い——つまり「外来/在来」という分類を超えた、CO₂駆動の植生再編として捉えられる現象です。 身近な観察が理論の具体的根拠になりえます。

定義

" Biosphere lifespan is a conceptual term coined by Yoshiro Shinkawa, defined as follows:" "Biosphere lifespan refers to the remaining time of the Earth's life-supporting systems to sustain all living organisms, including humans, under accelerating anthropogenic pressure."  「 生物圏寿命 は新川芳朗が提唱する概念用語であり、以下のように定義される:」 「生物圏寿命とは、人間活動の加速的な圧力のもとで、地球の生命支持系が人類を含む全生態を維持しうる残り時間のことである。」  

第8章 環境指標生物 448話

さてさて、ここからが不二子はん文学の本番や。 正直、しばらく大阪弁忘れてましてん。書きながら、ようやく思い出してきたっす。 ねいてぃぶ+ぼく様流アレンジまで、いまは書けるようになってます↓ だからこれまでは、忘れた関西文化をもう一度体得するための準備編やったんす↑ 「不二子はん、そろそろ行こか?」  えー 「…いややでぇ。ひきがえる触れへん、ご勘弁を」  ほー 「かわええで」 かえる苦手なんやな… 「蛙はな、環境指標生物なんやで。個体が見えへんくても鳴き声で大体の数がわかるんや。トンボもそうやな。一目瞭然でだいたいの個体数が把握できる」 へー 「そんなら、不二子は蜻蛉を担当しますえ」  おー 「ええな。たのむで」 「空に舞うとんぼさんは夕方も綺麗やし、 青天霹靂に舞うとんぼは勇ましい。うちにまかせてや」 よしろうは不二子の対応、心底うれしかった…ようで。 実は涙ぐむほど、胸ん中が熱かったで。