第3章 女が疼く 299話
「おかしいなぁ……うち、どないしたんやろ。朝からいつもの不二子とちゃう。 獣みたいに……うずいてまう。 欲しい……よしろうはん。 どないしたんやろ? わからんわ……」 明日は京都。帰ったら結婚式。できるやろか? いや、それはええ。 でも——なんや、この感覚…… 「あっ!」 「えっ!」 ──どくん、どくん。 「ただいま。不二子はん」 「へぇ……たいへんや!」 「どないした? そない慌てて……」 「……月のものや」 「つきのもの?」 「月のものが来ましたえ!」 「まさか? あれか?」 「そうや!」 「よしろうはん……ほんまに、子ども授かれるでぇ」