第8章 甘雨 477話
温雅(しっとり)とした雨。木々や草木、人にも優しい。 冷ややかで爽快な朝。ちょうどよい湿度感。 「よしろうはん。けさはお化粧乗りがええみたいや」 ほう どれどれ 「ほー。ほんまやなぁ」 うふ 「そなんみつめんといてや、はずかしいわ(笑)」 「ぼく様にもお化粧してや」 へー 「どうしやしょ?」 んー 「ここ塗ってや、黒く」 へー 「ここか? 冗談ばかし(笑)今日も明日もお休みどすな」 「あーええでぇ、この雨で心が洗われるわ」 へー 「これから忙しなるさかい、今のうちに休んで英気を養ってくださいな」 返事もせんと、よしろうはんは遠くを眺めてはった。 Adele "Someone Like You" 別れた恋人が新しい幸せな生活を送っていると知りながら、それでも会いに行く——そんな設定から始まります。 怒りでも恨みでもなく、ただ静かに愛していたという事実だけが残る切なさ。サビの「あなたのような人に、いつかきっと出会える」という言葉は、相手への呼びかけでもあり、自分への言い聞かせでもある。 Adele自身の実体験をほぼそのまま書いた曲で、ピアノとボーカルだけのシンプルな構成が、その剥き出しの感情をそのまま届けています。