第12章 承知しかねる者 575話
承知しかねる者。
俗に言えば、気にくわない奴、気に入らない者。
今後、ぼく様は徹底して排除する。
「承知しかねる、て、ええ言葉どすな」
不二子はんはそう言うた。
「気にくわん、やと感情の話どす。承知しかねる、やと価値観や考え方の話になる」
よしろうはんは黙って聞いていた。
「せやから相手を責めんでも済む。うちは承知しかねます。それだけどす」
少し間があった。
不二子はんは庭の方へ目をやる。
「それと排除、て言葉もええどす」
「関わらん、とは違うんか」
「違います。関わらんは結果どす。排除は意志どす」
風が吹いた。
しばらく沈黙が続いたあと、よしろうはんが苦笑する。
「不二子はんの方が怖いで」
「よう言われます」
不二子はんは涼しい顔でそう答えた。