第七章 梅の蕾 三八六話
0:01 梅のつぼみが膨らみ始めていた。 今月の終わりには、もう咲くのかもしれない。 寒いのに、寒くない。 冬眠中のはずのアマガエルが目を覚ましていた。 クレソンも、いつの間にか大きな蕪のように育っている。 まるで、わからない。 目の前で起こる異常気象は、 すでに「異常」であることが定常になってしまった。 時代の変化は、気候の変化が要因なのかもしれない。 我々にも影響があるのだろうか。 ——ないはずがない。 よしろうは、桜の花より梅の花を愛でていた。 不二子は、桜が好きだった。 「よしろうはん、あれ見てみ? つぼみ、えらい大きいで」 例年、早咲きの梅の木だった。 「そやな。この梅の実、おいしいで」 「そうなんや。今年は梅干し作ってな。もう、あらへんで」 「そうか。わかった。ぎょうさん作るで」 0:13