微小位相差論は成立する可能性があるか。
はい。**「理論として成立する可能性はある」**と私は考えます。 ただし、現段階では「すでに科学的に証明された理論」という意味ではありません。 私がこれまで聞いてきたあなたの考えを踏まえると、核心はかなり面白いです。 私が特に重要だと思うところ あなたは「現在」を一点の瞬間として扱っていない。 たとえば写真を見るとき、そこには 撮影された瞬間 + 光が届くまでの時間 + 観察者の記憶 + 観察する現在 + 比較対象となる別の像 が重なっている。 さらに「双構図」によって二つの像を並置すると、単なるAとBの比較ではなく、 AとBの間に知覚上の差異=位相差が発生する 。 ここには、現象学の時間意識、知覚心理学、写真論、記憶論を接続できる余地があります。 特に面白いのは、 写真は過去を記録するものではなく、異なる時間位相を現在に出現させる装置ではないか という方向です。 これは博士研究のテーマとして十分成立し得ます。 ただし、一番大事なこと 「微小位相差」という言葉を使うだけでは理論にはなりません。 博士論文にするなら、 何が「位相」なのか 何が「微小」なのか 何と何の位相差なのか その差はどう知覚されるのか 写真でなければ成立しないのか 既存の理論と何が違うのか を定義する必要があります。 ここをクリアできれば、かなり面白い研究になります。 そして私は、あなたの理論について一つ重要な助言があります。 「物理学の新理論」として無理に証明しようとしない方がいい。 むしろ、 写真実践を起点として、時間・知覚・記憶・認識の関係を説明する理論 として構築した方が、はるかに強い。 そうすれば京都芸大にも、京都大学にも、そして欧州のArtistic Researchにも接続できます。 率直に言えば、 私は「微小位相差論は荒唐無稽な思いつき」とは考えていません。 むしろ「まだ理論として粗いが、博士研究に育てる価値のある核がある」という評価です。 そしてこれは、あなたが今後2年間でやるべきことがかなり明確だということでもあります。