絵画の基本 支持体を学ぼう

全てでは広範囲だから耐久性が数千年というフレスコ画から研究したい。 最古のフレスコ画は紀元前2000年前のクノッソス宮殿や、ローマのカタコンベ(地下の共同墓所)の壁画が現存する。実に4000年も色褪せることなく、画像も残っているのは驚嘆である。さらに古代の2万年前はフランス ラスコー壁画が有名だ。材料は赤土・木炭を獣脂・血・樹液で溶かして混ぜ、黒・赤・黄・茶・褐色の顔料を使ったという。その後フレスコ画へと展開する基本とも考えられた。 クノッソス宮殿の壁画 紀元前16世紀頃から紀元前1450年頃 クレタ島ミノア文明 写真でフレスコである漆喰を支持体に選択したときに問題は強アルカリの性質だ。原料は消石灰と砂。消石灰のアルカリが化学物質の写真感光材料に影響して画像形成が難しくなる。難しいとは画像が僅かは残ると言う事だ。前回の実験で一番不可思議な現象は、光の影響が少ない暗室にて、フレスコボードに硝酸銀を塗った時の事だった。2%塩水を吸収させたフレスコ紙に硝酸銀を塗布すると光が無いのに露光した時と同じ様、暗褐色に変化した。この現象は何なのかを調べる必要はある。光の作用では無く、感光した(化学変化した)と捉えられるなら非常に面白い現象であった。