熊本地震以降の農地の開墾の経験が生きる。 ひたすら一生懸命にやっていただけだが、いつの間にか開墾のノウハウを蓄積していたようだ。 ためらいなく作業が進む。 やつだ農園の開墾は明日に終わる。 1.2hの荒地はあっという間に農地へ変わった。 近所の方が私たちの姿をみて笑顔で手を振ってくれるのが嬉しく思う。 明日40aの圃場を刈り払い機で切って焼き、トラクターで耕せば春の田植えに間に合うだろう。 後は水利の土砂撤去や草刈りが延々と続くがそれはボチボチやるしかない。 また法人化に向けて初期の目標10hなので来年も開墾と耕作が続いていく。 里山の景観が美しくなり、農作物は病院の患者さんに届けられる。 私はこの地でも農業生物多様性を実現したい。 すでに多くの生物を確認しながら作業を進めている。 水利がコンクリートではなく土のままというのが以外と多い甲佐の地。 わずかな出水にさえカワニナやシジミが生息していた。 荒地ゆえミミズもツチガエルも多く居た。 耕せばアオサギが寄ってきてそのツチガエルを狙って捕食している。 これは雑草なのかと目を疑う紫色の美しい花を咲かせる植物もある。 荒地とは人間の心情の話で、自然に帰る途中の光景でさえ思える。 その様なことを考えトラクターを運転していた。 最新型のキャビントラクターは冷暖房完備の上オーディオまで付いている。 多くの作業はオートマチック。 ここまで必要かなと思うが一度使えば快適そのもの。 次に考えているのは里山の中山間地域ではなく、平地の圃場で試してみたい。 生物多様性のまた違う新しい局面を見せ、私に教示するだろう。 これらの経験が最終的に考えている有明海が見える広大な干拓地での耕作に繋がればいい。 そこまでで写真家である私の農業への思いは完結する。 私の撮影フィールドが出来るでしょう。