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ファッロに学ぶ

ファッロには数種類の小麦品種が混じっている。多くはエンマー小麦で次がスペルト小麦が多い。ファッロとはイタリア語で殻付き小麦の総称であって品種名ではない。1万年近く改良される事なく栽培されてきた。今年私がファッロから学ぶことはそれぞれの品種の出穂時期は違うが種が存続して来たという事実に着目した。   エンマー小麦が一番早く、スペルト小麦は遅い。それらが同時に植えられ同時に収穫される。誇張して言えば早生の品種と晩生の品種を同時に植えて同時に収穫するという事だ。それは疑問に思うだろう。晩生の品種がその内無くなるんではないか?しかし違った。 ファッロの品種構成でエンマー小麦が圧倒的に多いのは何度も言うがエンマー小麦が早く出穂して早く実るからだが、晩生のスペルト小麦も僅かに混じっている。つまり晩生であっても早く出穂する個体もあり早く花を咲かせるものがあるので種として1万年近く残ってきたという事。   そういう見方をすればファッロの品種構成比率に興味が湧いて来る。人間との営みの中で残った種の構成比率の統計を取ってみたい。私はこの事を米で応用してみようと考えている。早生も中生も晩生もすべて混ぜて栽培し、品種の構成数を私の収穫時期決定が大きく作用するが自然の摂理で確定させようという視点。 私は現代の米の品種を使って明治期以前のような超多品種を同一圃場で育つイネ群を再現したい。これまで選抜や交配で培ってきた100年余りの人間の歴史とは真逆の方法で多品種の米を栽培し、多様性の底力や新たな可能性を見てみたい。    

ファッロとオリエンタル小麦の収穫

今日から数日の雨 これ以上濡らすと小麦にカビが生えそうだと思い、少し早いがコンバインで収穫。 ファッロの中の4品種のうちスペルト小麦は熟れるのが遅いので青かったが刈り取る。 別の圃場のオリエンタル小麦は少しだったので手で刈り取った。 毎年6月10日頃に収穫するが、本当は15日過ぎだろう。 雨の多い九州はこの辺りが難しい所だ。 ファッロは多く収穫できたので、この冬には3反の畑に拡大。  もともと商標登録されたカムット小麦であったオリエンタル小麦は交配しないように別の畑を用意する必要がある。 こちらはファッロの中のエンマー小麦と並ぶ元祖的なデュアル小麦なので将来のパスタにはなくてなならない貴重な種だ。

次の計画

やつだ農園を拡大する。 借りている水田の近くに耕作放棄地が3ha程ある。 しかし管理はされて耕してあるのでいつでも使えそうだ。 私はこの土地の利用は何がいいかを考えていた。 水田だが水が少ない。 電柵等を強化しないと獣害被害が大きい。 デメリットもあるが3haがまとまった土地にある。 現在のプランではスペルト小麦やファッロ、オリエンタル小麦、アイコーンなどの古代小麦を数種植えて甲佐町の産地化に出来ないか検討中。 米が甲佐の地で無農薬栽培が成功したら早速この秋から取り組みたい。

パスタメーカーへ一歩

6月半ばにファッロの刈り取り こだわり職人気質のパン職人の女性に会う。 スペルト小麦のパンにほれ込んでいるようで古代小麦なら全部買いたいとおっしゃる。 あまりパンを食べない私は、あー、この方は私のパスタを作ってくれそうだなと予感。

九州はやっぱり米だろうな。

身の危険を感じる雨。 そんな降り方が続く。 朝に作物の見回りへ。 ファッロや小麦は雨の重さと風で倒れていた。 かぼちゃは大きくはなったがこんな雨では受粉は出来ない。 にんにくは赤さび病が悪化。 神田小菊にはちょうどいい雨。 田んぼの苗も問題ない。 本当は米だけをしたいと考えていた。 これから元の方向へ転換した方がいいのかもしれないと考え始める。 さらに亜熱帯化する九州は米が一番向いている。 畑は日本かぼちゃが施肥と摘芯さえすればなんの気兼ねもなく育つので私には丁度いい様だ。

気晴らしの料理

パスタ用の野菜や麦とハーブを育てている。 ファッロで生パスタを夢見る。 結構私は野菜で彩る料理が好きだ。 見た目美しい方がいい。 旬の野菜を半生や生で素材の味をしっかり味わえるよう調理する。 肝心のアイユローズ大蒜だがこの雨で赤サビ病が発生。 香りが穏やかで味が深いこの大蒜。 なんとか方法を見つけてこの地に定着させたい。 最近はフランス種の大さやエンドウを3日毎に収穫。 なんとなく大味だが大きさと厚みを生かしてシャキシャキな食感を楽しんでいる。

異変の対応

植物を見ていた。 3週間早い梅雨は通常なら麦はカビが発生し、かぼちゃは受粉しない。 どうしたらいいのか。 私は植物に任せる事がいいのではと思う。 麦は多品種混合栽培がどれだけ病気に強いのだろうか。 かぼちゃは本来なら小蔓の摘心作業があるが、そのまま何もしないで葉っぱが茂れば花の雨宿りになるかも。 漠然とそんなことを考えていた。 人間は何もしないで植物自らどういう対応をするのか、それに任せてみよう。

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  ファッロの中のスペルト小麦(ファッロはイタリア語で殻付き小麦を総じて指す語で、FRANCHI社のファッロ種子にはエンマー小麦が一番多く含まれ、およそ4種類ほど混在しています。古代から受け継がれて来た多品種混合栽培と見ています。日本の米も明治始めまでは多くの品種が混じった状態で栽培され続けたという文献がありました。自家採種を繰り返すとそうなっていくのかもしれませんが、品種の多様性が今日まで種を継続できたとも言えるでしょう。一般的に単一品種の初期の形質を残すのは50年程だと言われています。) ファッロの中のエンマー小麦と虫 ファッロ全景(複数の品種が混じっているので背丈も出穂の時期も様々です。) 多品種混合栽培小麦 多品種混合栽培小麦の中の南部小麦

万次郎かぼちゃ

父が教えてくれた万次郎かぼちゃ。 私とかぼちゃの出会いであった品種だ。 しかし、今年の作付けをやめる事にした。 かぼちゃ部会会議の報告で、卸買い手が買わないか、少量しか求めない可能性がある。 青果として出荷しても市場でそれほど人気がないらしい。 私は判断して今年の作付けをやめる事を会議で伝えた。 しかし物産館では中々人気が出て来た万次郎かぼちゃ。 意外と良く売れる。 スイーツとしては美味しいかぼちゃだ。 来年以降需要があるならカボチャ部会とは別に少量を高品質で生産し、独自で売ろうと考えている。   部会での販売価格は市場より高いが、小売販売価格の約半分に満たない。 私は物産館などので販売実績を見ながら、大量に出荷する収入も大切だが、直売所等での収入も無視できるものではないことに気付く。  カボチャ部会一本に頼る事なく独自の販売網を更に確立したい。 そのころには万次郎かぼちゃも復活するかもしれない。

今日も巣篭る

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やつだ農園の予定が一日延期 なので今日も巣篭り暮らし。 ギャラリーで焚火をしながら彼是考えよう。  仮設の暗室でサイアノタイプの習作でも作ろう。 そう言えばうちの家紋は、丸に木瓜だった。 胡瓜の断面図という説には驚いたな。 これから栽培するので縁があるかも。 ファッロ小麦の次、自分で決めた出荷用品目は胡瓜が2番目。  米は先祖代々。 かぼちゃは父。  

小麦を調べていくと

古代系ではスペルト小麦やカムット小麦 混合種子ではファッロなど 品種改良の現代のルーツというと1935年の日本の農林10号からの派生種が世界的に広まっているようだ。 なので古代種以外、背の低い小麦は農林10号以降のようなので世界から取り寄せても果たしてそう変わるのか疑問を感じてきた。 ヨーロッパの一般的なグラーノを取り寄せた。 パン用だ。 日本では南部小麦を取り寄せる。 在来種的な扱いだが昭和の品種で農林10号よりも後だ。 形がスペルトのようにノゲが少ないのが気に入った。 他にスペルト小麦単一品種畑をつくりたいのでその種子とカムット麦種子を取り寄せる。   さて 麦の試験的作付けが複数になる。   1、大麦もちのダイシモチ+菊池の品種不明もち麦の混植  2、ファッロ  3、ニシノカオリ小麦 +euグラーノ+南部小麦の混植 4、スペルト小麦 5、カムット小麦   将来小さなパスタメーカーを作ろうと考えている。 ファッロだけで十分だがデュラム小麦の元祖であるカムット小麦にも注目したい。   基本的に作物の作付けはカボチャ以外自分が食べたいから作るというのが基本。 そろそろ声を大にして言うべきか迷っているが、現代の農家が言う口癖、自分で作った出荷用作物は農薬を大量に使ってるから自分用には食べれない。という事に本当にそれでいいのか? と言いたくなっている。 市場を支える賢明な消費者はもうそのようなものは求めていない。 しかしかといって無農薬だから高いという図式の作物の矛盾も抱いている。  世界トップと言っていい程、農薬を使う国 日本。 それを皆が知らないという事実。 私は今後も無農薬で生産し適正価格で販売していく事を日々研究するまでだ。 そうだな。 言う必要はないか。 それぞれ個人の価値観、思想、生産方式に立ち入るより、消費者が選ぶのでそれでいいだろう。

パン用小麦

日本のパン用小麦をいろいろ調べるが、外国のパン用小麦を植えた方が早いような。 日本の風土に合わないかもしれないのだろうが、私の住む地域では毎年ファッロが実をつける。 ファッロが日本で生産されない理由はやはり気候や風土で多くが病気になり収穫できないからだと聞く。 隣の南阿蘇でも失敗したとうわさで聞いた。 ここは問題ない。 恵まれた地だ。 なので私が冒頭に述べた外国の品種を植えるという発想はここでは有りだろう。   ニシノカオリを作付けするが、病気が多いという。 またパンへの適正も菓子パンやフランスパンが向くとあるが普通の食パンには向かないのだろう。 これへの対応は多品種混合栽培がキイワードと考える。   ヨーロッパのパン用小麦品種を少し混ぜようと思い原種に近いものを購入。 また別のパン用小麦種子混合も考えている。 ファッロは4品種の混合種子だが、それくらいあった方が多様性が病気に対して抵抗性をもつのだろう。   今日甲佐に行っていたが、カボチャの混合栽培を見た。 まさかと思ったが万次郎系の様なカボチャとクリ系のカボチャが同じ圃場に植わっていた。 うどん粉病も見られず元気なようであった。   単一品種での栽培はとにかく病気が多い。 私の思考は多品種混合栽培に向いている。 まだ達成できていない来季主力商品である交配種かぼちゃでの完全無農薬を目指すために。    

恵みの雨

やっと雨が降ってくれた。 有難い。 夕方に田んぼを耕していたらポツポツと降り始めた。 急遽ファッロの種子を撒こうと決める。 自分のデータでは昨年は9月と10月に播種しているが両方ともいい成績だった。 指南書の通り11月に撒くのは遅いと感じていたので雨はいいタイミングだった。  スペルト小麦も追加してファッロを播種。 田んぼでの栽培は初めてだ。 水抜けがいい乾燥気味の畑の土がいい様な気もするがまあ、出来ないことはないだろう。 成功すれば田んぼでの二毛作が出来る。 冬期湛水出来ない田んぼは昔ながらの麦との二毛作を再現したかった。 播種したファッロに雨水が当たっている頃だろう。 今年もすくすくと育って欲しい。

パン用の小麦に初挑戦

いつも種を買う京都の、のうけんでニシノカオリを1反分注文。 他の種が売り切れてなかったのでこの品種にしたが、菓子パンやフランスパンに向いてるようだ。 圃場はマンゲツモチを植えた田んぼに予定。 麦を収穫後は大正時代の米の品種 朝日を植える。 いつも圃場には何かが植わっていた方がいい。 その方が小動物も植物も微生物も生きていける。 結果作物に悪いはずがない。   古代小麦系統のファッロは今年も畑に播種予定。 ファッロはパンにもパスタにも使用。 私のファッロはエンマー小麦が多くスペルト小麦が少なめだったのでスペルト小麦を追加して播種する予定。 ファッロとはイタリア語で殻付き小麦の意味。 約4種類の小麦が混ざっている。 多品種混合栽培は古くから栽培される方法で、病気に強くなる。 ダーウィン達がその有効性を実証したが、もっと以前からあった人間の知恵だろう。 少なくともファッロは8000年前と変わらないのだから。   逆に言えば現代は単一品種栽培を行うので病気になりやすく、その為に農薬を使っているとも言えるのではないかな。 単一品種栽培のブランド化(それがマーケットで重要だと思わせる風潮)は考え直す必要があるように思う。    

ファッロ 夏播きの準備

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8月中に夏播きをし、年内の収穫を試す。 九州では冬播きして梅雨時に収穫するよりいいのではないかと期待する。 今後の作付けは当面、米、かぼちゃをメインにトマトとこの大麦ファッロを生産して流通を開拓していく方針だ。 農業を始め3年になる。 カメラマンほど利益の出る仕事ではない。 しかし利益を確保することは何の仕事でも大事だ。 米の作付け面積は来年また1反増やす。 かぼちゃは1町に拡大し、二期作をする。 しかし何処までも拡大できる訳ではない。 もうこの辺りで収益を確保する農業技術を導入するしかないと常々感じる。

ファッロや今の畑の姿

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   farro 180cmのファッロは倒伏しても問題ない。翌日には起きあがる。全く逞ましい。  陸稲もち  陸稲もち  陸稲にこまる  陸稲の雑草及び鳥の食害対策で試験的に藁を敷く スズメやハトなどの鳥たちは稲穂に残った米だけ食べ新芽を穿って種を食い荒らすことはなかった。敷き藁は多すぎたようだが雑草の抑制効果は物理的なだけでなく藁に含まれるモミラクトンのアレロパシー効果は大いに期待できる。雑草は全く生えないではないが数量が少なく雑草の成長が著しく遅くなる。夏場の干ばつでは圃場から水分の蒸発も緩やかになるし、雨が降ればまた水が土まで届き、ビニールマルチより手間はかからない。収穫が終われば剥ぐ必要もなく、そのまま漉き込み肥料や炭素資材になる。微生物の住処であり餌となり分解する。藁はとても使い勝手のいい素材であることを改めて実感している。  チコリの董立ち 早く青い花を見たい  アーティチョークの蕾  ビーツの蕾 フローレンスフェンネルの株

ファッロの分蘖と倒伏

ファッロは分蘖数が多いようだ、約25本前後でイメージとしては稲に近い。 麦ふみの必要はあるのだろうか。 分蘖の数としては必要ないようだが、背丈が高くなるので踏み固めた方がいいのかもしれない。 少しの鶏糞をやったところは青々しているが背丈は180cm以上になっている。次に高いのはケイカルを入れたところ、次は無施肥だ。どちらも黄緑色で160cm程。 基本的には無施肥でも育つようなので、ケイ酸補充とカルシウム補充のみで十分であろう。 もちろんその土地の土による。 反当たりの播種量は麦類が8kgから10kgというがこの分蘖数をみるともっと少なくしていいだろう。 風通しを良くしないと所々に赤錆病が見られる。 このように背が高くなったので倒伏しやすい。 この数日の雨風で早くも多くが倒れた。 少しずつ起き上がっては来るが様子を見よう。 本場イタリアのファッロ生産者の圃場は無施肥のように薄い緑で株間の隙間が多く見られた。背丈もそう高くはない。 この辺りの地はとても肥えているので1万年前から続くような種には施肥は無用だろう。 私はこの麦にとても愛着が湧いて来た。 この冬には多くの面積で作付けする予定だ。 商品化というより売り先の開拓を始めなければ。

麦の花

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麦の花 その言葉が浮かんだ時、私は見たことがないことに気づいた。 ファッロの麦は何品種かの麦が混ざっているというが、殆どはエンマー小麦が多いようだ。

farro

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ファッロの出穂もうまじか

もうすぐだろう。 ファッロの穂が半分顔を出していた。