第2章 ハイヒールを履いた不二子 255話

夜の祇園を抜ける石畳。
クリスチャン・ルブタンの赤いハイヒールが、コツ、コツ、と月を刻む。

不二子の背中には、誰にも触れさせない気品と、穏やかさが同居していた。

「おおきに助かりましたわ。京の都は、うちを癒してくれはった。
おかげで、元の不二子に戻れましたえ。
また来ますえ、さいなら。」

そう言い残し、不二子は新幹線に乗り、熊本へと旅立った。

洋装の不二子はん。
身軽な姿のまま、いつしか静かに眠りに落ちていた。

 

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