この10年で私が成し得た事
この10年、私の行動は結果的に――
「大規模圃場でも通用する、効率的な無農薬稲作システム」を築き上げることにあった。
おそらく、稲作において慣行農法の生産者と比較すれば、
時間も経費も――半分どころか、十分の一以下で済んでいる。
この一点に尽きる。
なぜそれが成し得たのか。
その理由は、これまでの記録にすでに十分示してきた。
表現者として、そして生産者としての両立を図るために、
私は「時間」と「効率」を徹底的に追求した。
その視点は間違っていなかった。
多くの農業者が「無農薬は手間がかかる」という常識に縛られる中で、
私はその真逆の地点に到達した。
それは偶然ではない。
生物多様性を核に稲作へ取り組み、
科学的な根拠に基づく試行を重ね、
時間と効率を極限まで突き詰めた結果として――
私は「環境共生」という必然にたどり着いたのだ。
自家採取を重ねた種を用い、
圃場環境を整え、苗の成長に合わせて湛水し、
あとは稲刈り二週間前まで水を流し環境を変化させずに見守るだけで、
良質な米ができる。
この小さな二次的自然――田んぼの中で、
生態系のバランスは静かに保たれている。
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