第2章 目覚める不二子 255話

「ふー。はー。ええ湯や」

「お。不二子が目覚めよった。ええ温泉みたいやな。嵐山温泉でも浸かっとるんか」

「あっちむいて」

よしろうはんは首を傾げた。

「こっちむいて」

また首を傾げる。

「いくでぇ.....」

さらに首を傾げる。

目覚める不二子、両目をぱっと見開いた。

「よしろうはんか?」

「そうやで。温泉、きわどかったな」

「?」

「なぁ...よしろうはん。うちと一緒にいてくださいな」

「あたりまえやで。どこにもいかん。あんしんせぇ」

「そうか、よかったで...」

「どうや、気分は」

「へー。なんかな、温泉で遊んでました」

「はは、そらええ。相手はだれや」

「よしろうはんどす」

「なんと、ぼく様か! そらええ。はよげんきになれ」

「へえ.....」

不二子が起き上がった。

襟を掴む。

唇が重なる。

長い口づけ。

「おおきに......」

よしろうはんは黙って、不二子を抱きしめた。

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