第5章 Jazz 346話
こんな時間に大音量で流れるジャズ。
今夜も明日も家にはぼく様と不二子しかいない。
よしろうはんは、ジャズはもう古臭いと言うて、あまり聴かなくなった。
まあ、実際古いわな。
おしゃれさだけが残ってしもた感じや。
昔のEDMと、ある意味あんまり変わらん。
退屈と言えば退屈や。
せやから電子音でも、ダンスミュージックのEDMを聴くことが多い。
「不二子はん。何、聴いてんの?」
「古典が好きやわ。うち三味線弾くやろ。ええもんやで」
あの間合いは、ほんまにええ。
日本独自のもんで、日本人やったら自然と好む音や。
悦に浸れる、ちょっと珍しいジャンルやな。
ぼく様も、あれは好きや。
ピアノのクラシックもええ。
ずっと聴いてても飽きひん。
19世紀や18世紀の、不可思議な童話の世界が、見え隠れしてて、ぼく様の脳内で妖精たちが遊んでいる。
なんとも面白い。
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