第3章 祇園にて 300話
老舗の呉服店・ぎおん齋藤で衣装を決めたあと、二人は建仁寺へ。
風神雷神を眺め、二年坂・三年坂でお茶をして、地主神社へ向かう。
目をつぶって石から石へ辿り着ければ恋愛成就――そんな言い伝えがある。
「ふじこはん、おもしろそうやし、やってみよか」
「へー。ええで。もう成就してます(笑)神様もこまるえ」
「今日は泊まりにするけ?」
「京都駅前の普通のホテル、予約入れといたで」
「式は明日じゃなくてもええ。ゆっくりしてもええしな」
「今、八坂神社で式あげましょか?(笑)」
「それええな(笑)。ほな、行くで!」
――ちゅちゅんがちゅん!
二礼、二拍手。
「おー」
「うおー」
……一礼。
めでた めでたの 若松さまよ
枝も栄えりゃ 葉も繁る
――ハ ヤッショ マカショ シャンシャンシャン ソレ
「さあ、でけた。これで、わしら夫婦やで」
「へー。ほんまに夫婦になってもーたなぁ……。嬉し(笑)」
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