第5章 羽織る 344話
今夜は、さむうない。
どんなんしたもんやろか。妙に暑い。
羽織った上着を脱いで、寝ようとした。
――寝付けない。暑い。
なんやろな。
今日は、散々な一日でもあった。
狭い了見を、押しつけられた。
相変わらずの無表情な態度で制したが、
果たして。
そのあと、良いこともあった。
良縁は、振り子のリズムを戻してくれる。
そういうものかと、ただ眺めていた。
少し、寒くなる。
また羽織る。
いったい、今、何度なんだ。
火照った体の、残り熱が、
微妙に騒いでいた。
ん?
これは良縁?
火がついたかのようだ。
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