第4章 通せん坊 312話

通せん坊。
昔のあそび。子供の頃にやった記憶がある。

「不二子はん、通せん坊知ってるか?」

「とおせんぼう??
知らへん。どないした?」

「そうか、知らへんか。
昔な、かわいこちゃんを通せん坊したことがあってな……」

「それって、いじめ? 通り魔? 変態ぷれい?
れいぷ傷害事件?」

あっはは。

「それがな、そうでも無い時代があったんよ」

「まぁ。うちは戦争体験しとるさかい、
もっとひどいことも知ってるで。
でもな、だから何なのさ、って思うわ」

「そうやな。
今の時代は、ある意味すべてが抑制、統制されとる。
悪い様な、、ことを悪いと言うのは、人を制御抑制するには都合がええ」

「相変わらず難しいこと言うな、よしろうはん。
でもそれくらい、不二子は知ってるで。
もっと深い世界もな」

「だよな。
ぼく様にも分からん世界を、不二子はんは生きてきた。
それくらい、ぼく様にも分かるで」

あら。うふふ。

「よしろうはん。お見事じゃ!」

「そうでもない(笑)」

なぁ嗚呼?よしろうはん。。 想像にお任せを。。

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