第3章 晴天かな 298話
未だ夜明け前。
よしろうはんは今日もパソコンに向かって、勉学に勤しんでいた。
「……これ、ほんまに二年分、修士課程の単位取れそうやな」
不二子は朝が意外と遅い。
けれど、食事の支度はいつも前の晩のうちに済ませている。
「結婚式、か……。いつがええやろ」
「京都は明日か……。もう京都で式を上げたが早いけど、急ぐこともないか。帰ってからでもええ」
「さてと……レポート終わったわ」
「今日も客室清掃か……。かなわんなぁ」
「まぁ、みんないい人やさかい、ええけどな」
そこへ、不二子が目をこすりながら現れる。
「おはようさん、よしろうはん……」
「起きたか、不二子。おはようさん」
「もうご飯炊いといたで。味噌汁もできてるで」
「おおきに」
「なんのなんの。不二子はんが仕込んどいてくれるから、スイッチ押しただけや。ありがとさん」
「へー……朝が弱いのは、生まれ変わっても変わらんどす」
「別にええで。朝から色っぽいやんけ(笑)」
「そうどすか……。ほな――やってまうけ?」
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