第4章 大空へ向かうカラス 301話
地元へ帰った二人は慈雲寺で粛々と式を挙げ、築二百年になるよしろうはんの家へと歩いた。
「あー、しんど。お経も説法も、正直あんまり上手やなかったなぁ」
「そなんこと言うもんやおへん。これで周りにも祝福されたんどすえ。ありがとさん(笑)」
「はは。そうやな……(笑)そう思とこ」
「これから、不二子はんとの二人三脚が始まるな」
「へえ。不二子を娶ったあなた様は、ほんま果報者どすえ」
「おー。それだけは間違いない(笑)」
うふふ。あはは。
「寒うなってきたな。家に帰って、風呂でも入ろか」
「へえ。もう沸かしてありますえ」
「……?」
「案外、えっちやな(笑)」
かぁ、かぁ、かぁ……
「おっ。カラスが三回鳴いた。意味、知っとるか?」
「いいえ……さっぱりどす」
「ここに餌あるでぇ、腹減ったぁ、言うとんねん」
「ほんまに?」
「中学生の頃から、カラスの研究しとんねん」
「ほう……」
「正に、ぼく様を食べたい不二子はんのようやな」
「はい(笑)。承知いたしたえ」
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