第5章 一歩 342話
一歩、そして一歩。
それしかないんだ。
よしろうはんは、諦めない性格。
そうやって、これまで生きてきた。
対象が変わってもいい。
その思いはそのままに、焦点を戻し、包括的に視点を開放する。
そうやって凌いできた。
「あんさん」
不二子が言う。
「あんさん、次はどこ行きますえ」
「うん……」
「なんも変わらんで」
「(笑)強情やなぁ」
「そらそうや。修羅場をくぐったからなぁ。
ひと様には言えんけど」
「そうかもなぁ……」
「うち、おいてけぼりか?」
「そんなわけないで」
「不二子はんは、ぼく様が産んだんやで」
「はは……そうやったわ(笑)」
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