第4章 すいーとすぷりんぐ 317話
「不二子、ほら見てごらん。いっぱいや」
「ほんまや。美味しんやで、この蜜柑」
はは(笑)しっとーたい。
「さてと、ひとつ頂こうか。ちょっと早いけどな」
「へー。うちがちぎりますさかい。これがええわ!」
不二子は、いくつも蜜柑をちぎる。
「女やな(笑)」
ご近所にスウィートスプリングを配る不二子。
よしろうには真似できない。する気もない(笑)
「そうや、不二子はん。そろそろ親父、診に行こか」
「長男の皓大さんが、明日東京から帰郷するそうやで。しっとーか(笑)」
「ぼく様が呼んだんや」
不二子は蜜柑を切り分ける。
「ほら、あーん」
「親父の蜜柑は、うまいわ」
「そうやな。あした、目を開けてくれたらええな」
そうやな……。
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