第2章 京都 伏見稲荷大社にて 251話
千本鳥居を静かに歩く不二子。
このお稲荷さんは縁結びでも縁切りでも有名な稲荷神社。
不二子はかつての自分と縁を切り、人間として生まれ変わる自分と縁を結ぶと心に決めていた。
参道は果てしなく長く感じられた。
さ、儀一郎さま。わたしはこうして亡くなったんどす。
さ、よしろうはん。たのしい方や。飽きへんわ。
さ、不二子。きょうで終わりやで。
さ、不二子。きょうからはじまりや。
な、儀一郎さま。それでええやろ。
な、よしろうはん。こうするわ。
な、ふじこ。後悔ないな。
な。これからの不二子? 思いつかへんわ。
さあ、着いた。
お稲荷さんとお話ししてみますか。
でも不二子はじぶんで決めまっせ!
ん?
貼紙のあの字なんやろ気になるなぁ。
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