サー・ジョン・ハーシェル(1792-1871)- 写真術の先駆者
サー・ジョン・ハーシェル(英: Sir John Frederick William Herschel, 1st Baronet、1792年3月7日 - 1871年5月11日)- 写真術の先駆者
科学者であり天文学者である。その功績が高いが、写真史でも欠かせない人物。
ジョン・ハーシェルは、写真技術の黎明期において最も重要な貢献をした科学者の一人です。天文学者としても著名でしたが、写真術の発展における彼の役割は計り知れません。
写真術への主な貢献:
用語の創造
- 「photography(写真)」という言葉を造語(1839年)
- 「negative(ネガ)」「positive(ポジ)」の概念と用語を確立
- 「snapshot(スナップショット)」という言葉も彼が最初に使用
技術的発明
- サイアノタイプ(青写真)の発明(1842年) - 鉄塩を使った簡便な写真プロセス。特徴的な青色の画像が得られ、建築図面の複製や芸術写真に広く使用された
- チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)による定着法の発見(1839年) - 写真画像を永続的に保存する方法を確立
- ガラス板を使った写真技術の実験と改良
科学的研究
- 光の化学作用についての詳細な研究
- 様々な化学物質の感光性の調査
- 写真プロセスの化学的原理の解明
ハーシェルは、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットやルイ・ダゲールといった写真術の発明者たちと交流し、互いに影響を与え合いながら、写真技術の基礎を築きました。彼の貢献により、写真は単なる実験から実用的な技術へと発展していったのです。
ジョン・ハーシェルは19世紀イギリスを代表する科学者です。天文学では父ウィリアムの遺志を継ぎ、南半球の天体観測を行い恒星・星雲の詳細なカタログを作成しました。写真術において「photography」「negative」「positive」などの用語を創造し、サイアノタイプ(青写真)を発明、チオ硫酸ナトリウムによる定着法を発見するなど技術発展に多大な貢献をしました。数学、光学、化学の分野でも業績を残し、王立協会会長も務めた博学の人物でした。


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