第2章 霜降る前の稲 250話
さーて。これはどうしたらええんかのう。。まだ熟れとらん穂もおおいわ。もうこれは種にするしかないのかのう。。
不二子がしばらく留守にすると言い。その間よしろうは相変わらずの日々。きょうもひとりで田んぼに立っていた。
不二子大丈夫やろか。なんも言わんで行きよった。言わんでもわかる。閻魔の話聞いたら、ぼく様だって愛する方の元へ行くに決まっている。 悲しかったんやろな。きっと不二子は賢いから悟ったんやろ。それでも生きてるから自分を慰めてんやろ。ぼく様かて同じことするわ。有り金使って世界を豪遊するとかな。。もしぼく様の所に帰ってきたらなんも言わんで暖かく迎えよう。また一緒に生活する言うならこれまでの様に楽しく共に生きよう。そんで、結婚してもええ言うならそれもええ。ぼく様は楽しい人生で、大発見の人生で、なんか地球全体の生態系が存続すればそれでええ。それこそぼく様の目的と幸せや。
はて。これはいつ稲刈り出来るやろか。
未だ土は乾いてないか。。
機転の早い不二子のことだ、稲を刈るころには来るだろう。
それでも前を向く。
そして人をええ方向に導くのが不二子の特性や。
凍える中でも実らせようとするこの稲穂の様にな、不二子はん。
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