第3章 寿司屋にて 292話

 暖簾をくぐる。

「特上ふたつ、赤だしもお願いします」

「特上!へい 赤だし2つー」

鮃 甲烏賊 本間鮪の大トロ 小鰭 穴子 赤貝 卵 車海老の半茹で イクラ 馬糞海胆 等々

「旨いですね」 

「でもそちらも雰囲気ありますね。こっちの出身ではないでしょ?」 

「いいえ。熊本です」

「でも喋り方や物腰が違います」

「あー……かくかくしかじか……」 

「そうなんですね。写真家で写真の研究もされてるんですね」

「はい」

「かっこいいです」

連れの女性がにこにこ。

ぼく様、無表情のまま
<やめてくれー、その話題は! 照れるー>
と、心の中で叫ぶ。

「お勘定お願いね」

「へい。あちらで」

「1万4千8百円です」 

「はい」

「ごちそうさま」

単品も頼んだのに相変わらず熊本は安いわ。。 

コメント

このブログの人気の投稿

修士論文草稿 8000文字ver.002

Playlist,,Deep House,Music Played in Louis Vuitton Stores

次の世界への遷移 ― 微小位相差理論による意識の再配置と存在論的工学の可能性 ―

微小位相差論 理論から写真論へ。

やっとだぜ。