第7章 令和色好男子 四一五話

挙句の果ては青天の霹靂。

何処へ行くとも知らず、 彷徨う詩人は時を重ねて老い、 閉ざされた胸の内に沈んだ。

もがき、苦しみ、 意識が遠のく。

――そのとき。

「へー」

不二子はんの声が、闇を裂いた。

目を開けると、不二子が朝日の中に立っていた。 湯気の立つ味噌汁を持って。

「よしろうはん、うなされてはりましたえ」

夢やったんか。

ぼく様は、まだ生きていた。 不二子はんが、そばにいた。

それだけで、充分やった。

「朝ごはん、できてますえ」

ああ、ありがとう。


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