ヒキガエル大帝国物語 基本情報4/7 ガマの油売り
ガマの油売り — 江戸の町の一幕
江戸のある町の夕暮れ、小さな路地に一際賑やかな声が響きます。
「さあさあ、ご覧あれ! ただの油ではございませんぞ、ガマの油でございます!」
行商人は、竹筒に入った油を掲げ、ヒキガエルの形を模した小さな壺を見せながら口上を始めます。
「この油は、池のガマの脂肪と分泌物を火で炙り、心を込めて抽出した、天然の薬でございます! 火傷や切り傷、腰痛や肩こり、風邪の初めにも効き目抜群!」
町人たちが集まり、子どもも大人も興味津々で見守ります。
行商人はさらに声を張り上げます。
「一滴塗れば痛みも和らぎ、あやしい災いも逃げ出すとか逃げないとか…さあ、これは単なる油ではございませんぞ、ガマ大王の力が宿る不思議な油でございます!」
客が戸惑いながらもつい買ってしまうのは、このユーモアたっぷりの長口上と妖怪伝承のミックスの力です。
行商人はさらに、夜に池に現れる巨大なガマ大王の話や、池や田んぼでヒキガエルが作物の豊作を守る縁起の良さを語り、町人たちの興味を最大限に引きつけます。
こうしてガマの油は、単なる民間薬ではなく、江戸の町の娯楽と民俗信仰が合体した文化的商品として、人々の暮らしに彩りを添えていたのです。
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