第7章 位相間不可視化 四三八話
微小位相差論の提唱者よしろうはん。
彼の理論は過去も現在も未来も全て同軸上に微小に離れズレて存在するとしていた。
そのズレが位相間でなぜ見えないのかを不二子はんの件で考えた。
位相間の見えない正体は可視光域を超えて存在するからではないかと閃く。
理論はそれまでにしておく。
不二子はんの物語には省略して話そう。
要するに不可能なのだ。現代物理学では。
降参や閻魔。不二子を見えるようにしてくれ。
と心の中でつぶやくよしろう。
でも内心 てやんでぇ と何故か江戸弁で突っぱねた。
「不二子はん、原因までは推測できたが、見えるようにはできんみたいやわ」
不二子は覚悟を決めた。
「わかり申した。もう一度閻魔様に頼んでみますえ」
「あいつ幾つか方法はある言うてたな」
へー
「きっとアオガエルたべろとか、そんな事やと思いますえ、
そやけど何でも方法あるなら聞いてきますさかい」
あおがえる?
色素変換か?
「ま、わかった。
閻魔は不二子にホの字やから、変な事はせんやろ。安心だ」
へー では。
数日が過ぎた。
すっきりした井手達で微笑みながら帰ってきた不二子。
ちゃんと見えるで。
相変わらずきれいやなぁ。
「ただいまどす。よしろうはん」
「ようかえった。おかえり不二子」
ちゃん ちゃん
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