第8章 かんちがい 451話
不二子はんの留守中。
田んぼに寝そべり、空を見上げていた。
カラスの群れ。
まあ、以前よりは増えた。
晴天の朝。
思考がどこかで立ち止まると、ぼく様は太陽光に向かって仰向けに寝そべり、しばらく目を閉じる。
網膜に映る赤い景色が、白にほどける頃、目を開ける。
シアンの世界が見える。
美しい九州島の色だ。
――そうなんか。
「ぼく様は、かんちがいしていたのか」
カラスの群れ。
美しいうめの花。
C3植物の葛の山。
「ここは、相変わらず田舎なんだな」
昔の方が美しいが、五十年前と、さほど変わらない景色が、そこに在った。
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