パクチー

イタリアン食堂のシェフとオーナーがジョギングで家まで遊びにきた。
香草が欲しいという。
何も植えてないなと思ったがパクチーがあるかもと思い浮かぶ。
夏に一度耕しただけのヤンバル地区の小さな畑。
昨年コリアンダーの種を蒔きそのままにしておいた。

軽トラに乗って3人で出かける。
二人はいつも荷台に乗って子供のように笑っている。
ラリーのごとき私の軽トラは山道を駆け上がる。

あった。

ちょうど良いサイズのパクチーが群生していた。
ひと握り引き抜いてシェフに渡すと香りを嗅ぎニコッと笑う。
これで行くと決めたらしい。
美味しいパクチーの香りはカメムシではない。
もっと爽やかで清々しい。

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