農家が米を作れない根本的な理由・田んぼの耕作放棄地は米高でも増えている。それは決して高くはないからだ。

米農家の収益構造分析

2025年の平均価格設定

  • 1kg: 500円
  • 1袋: 15,000円
  • 1俵: 30,000円

この地区(阿蘇郡・甲佐町)の慣行農法農家の1反あたりの収益計算

収入

  • 平均収量: 7俵/反
  • 売上: 7俵 × 30,000円 = 210,000円

支出(コスト)

項目金額
苗代(20枚)20,000円
肥料代15,000円
農薬代20,000円
刈り取り代14,000円
ライスセンター12,000円
燃料費20,000円
合計101,000円

※減価償却費はすでに終わったと仮定。実際は農業機械の支払い経費が発生

収益

  • 経常利益: 210,000円 - 101,000円 = 109,000円
  • 作業期間: 6か月
  • 月平均利益: 約18,000円

比較:他作物との収益格差

からいも農家(西原地区優秀農家)

  • 1反あたり収益: 1,000,000円
  • 米農家との格差: 約9倍

過去の価格変動

  • 2年前の米価: 1俵10,000円台 → 赤字経営

農業機械の価格上昇

  • 以前のトラクター: 約200万円
  • 現在のトラクター: 500万円以上
  • 価格上昇率: 2.5倍以上

構造的問題

  1. 低収益性: 1反6か月で11万円という極めて低い収益率
  2. コスト増加: 機械・資材費の継続的上昇
  3. 価格不安定: 米価変動による経営リスク
  4. 後継者不足: 収益性の低さが若者の参入を阻害
  5. 高齢化加速: 数十年続く悪循環

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