わき芽かき候 202話

稲刈りへ向けて準備がすすむなか、冬至かぼちゃの手入れがはじまる。

まずは脇芽かき。親蔓いっぽん仕立てといって、親蔓だけを生かして小蔓は芽かきしてまうんや。かぼちゃは親蔓にすべての栄養注がれて成長早ようなる。それからな、かぼちゃは親蔓のかぼちゃが一番おいしいんや。子蔓のかぼちゃは2番おいしうて、孫蔓のかぼちゃはあまり味ない。
 
そやけどなんでこなんめんどいことするんや。
 
そやな。夏に植えたかぼちゃは冬至の頃に出来るんやけど、お日様が顔出さんとだんだん夜長ごうなるし、気温もだんだん冷えて来る。そやさかい早う花咲かして、早う実がなるようにせな間に合わんのや。九州島は暖かいさかいかぼちゃは年に二回とれる。せやけど冬至かぼちゃは少しばかり手ぇかけたらんと九州島でも間に合わん。 霜に当たったら終わりやで。
 
そうなんやな。
 
不二子はん。極上品がでけるさかい、みながんばってんで。。 
 
へー。そら『別品』やでよしろうはん。  お前がな。。

コメント

このブログの人気の投稿

毬栗すくい唄 213話

夜長酒 217話

お手紙

坦坦詩 214話

不二子はん 千夜一話物語 182話