第七章  幸せな女 三八五話

遅い朝。
今日は休み。夕方には宴会があり、そのままホテルに泊まる。

台所から、湯の沸く音がしている。

不二子が言う。

「よしろうはん、おはようさん」

「おはよう」

よしろうは洗面所で顔を洗っていた。

「男が女を幸せにしたんやない」

不二子が、ぽつりとつぶやく。

「ほう」

水を止め、タオルで顔を拭く。

「女が男を幸せにしたんや」

不二子はコーヒーを淹れている。

「そうかもしれんな」

「へー。そやから幸せなんやて」

よしろうは、少し笑った。

「聞いた話やけど、そうどすか?」

「ええことや。まちごてない」

窓の外は、よく晴れていた。

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