無施肥について 来年度より方針転換
本来、僕は「無施肥」について否定的な意見を持っている。
有機物であっても、作物が養分として吸収し、収穫物として田んぼの外へ持ち出せば、補給しない限り地力は少しずつ低下していく。
この考えを、僕は実際の田んぼで10年間検証してきた。
田植えでは大きな地力低下は見られなかったが8俵以上の収穫は到底見込めない。
ところが、直播きでは明らかに地力が落ちた。
さらに興味深いことが分かった。
直播きの田んぼに有機物肥料を与えると、慣行農法以上に稲がよく育つのである。
つまり、問題は「無施肥でも育つか」ではない。
無施肥では、直播きによって持ち出される養分を補いきれなかった。
これは僕が以前から考えていた「無施肥への否定的な見方」を、実際の栽培結果が裏付けた形になる。
だから、僕は無施肥に戻るのではなく、次の段階へ進む。
それが**「超低投入施肥」**である。
ただし、肥料を大量に入れるつもりはない。
施肥で怖いのは、過剰な窒素による生育の乱れや虫の発生である。
そこで、直播きの苗が20cmを超えた段階で、ペレット鶏糞をドローンで散布する。
量は通常の施肥量の半分以下を考えている。
必要な養分を、必要な時期に、必要な量だけ補う。
僕が目指しているのは、無施肥という「ゼロ」ではない。
かといって、慣行農法のように肥料を投入することでもない。
10年間の無施肥栽培で地力低下を確認したからこそ、どこまで肥料を減らしても生産力を維持できるのかを、これから実証してみたい。
それが、僕の考える「超低投入施肥」である。