第10章 雀鳴く 508話

早朝、不二子はんが消えた。

まだ夜の気配を残した、暗い朝。

よしろうはんが目を覚ますと、雀が鳴いていた。

枕もとに、いつもいるはずの不二子はんの姿が見当たらない。

――はて、どこにいるんか。

その時点ではまだ、
不二子の「存在そのもの」が消えているという事実に、
よしろうはんは気づいていなかった。

ちゅん、ちゅん。

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