第12章 涼しい夜 613話
「なんと涼しい夜かしら」
「今宵みたいな夜は、人肌が恋しゅうなりますなぁ……」
ん?
よしろうはんの胸が、ちょいと高鳴る。
これは……ちゃんすや
嗚呼――
不二子はんは窓辺に立ち、川風に吹かれながら物思いにふけってはる。
「なぁ、案さん。こっちおいでや」
おっ!
きたきた。
「もうお布団は敷いてますさかい、お先にお休みになってくださいな。不二子は、ぬるいお湯で背中流してきますさかい」
ほう
これは決まったで。
「そうか、不二子はん。ゆっくりしておいでや」
へー
「ほな、お休みになってくださいな。」
おう
よしろうはんは布団にもぐり込み、胸を弾ませながら天井を見上げる。
「……待ってるで」
そして朝になった。。