第12章 アルマーのひとり言 610話
鹿革で磨き上げられた銀板写真。
磨けば磨くほど、精細な像が現れる。
いつかお父さんが教えてくれた。
私の今も、そうでありたいな。
アルマーがぽつりと呟いた。
でも、どうして今日という日は、こんなに重いんでしょうか。
雲のせいかしら。
風がないから?
いいえ。
そうではなさそうです。
わたしはもう少し、自分に向き合うことが必要なようです。
神様。
そうなんですね。
神様。
わたしは見放されたのです。
その事実はずっと消えないのですね。
それでも、やっとわたしは受け入れられそうです。