第8章  "It can be only communication"  461話

「伝え合ってるだけのことさ」
へー
「なにがどす?」
「いや。なんとなく考えてたんや」
「きょうは落ちないで」
へー
「落ちいらへん。なんか考えてはるんやな。聞きたいだけや」
うん
「いや、ただ引っかかったんや、この言葉に」
へー
「わからんやないで。よしろうはん毎日お側でみていたら」
ほう、そうか。
へー。
「断定的やけど、投げやりでもない。達観さえ感じますえ。
例えばこんな四字熟語がありますえ——
不立文字。ふりゅうもんじ。禅語どす。言葉やりとりでは、真実は伝わらない」
ほう。
「近いかもな、不二子はん」
へー
「お見知りおきを、と申しますえ。
やりとりでしかないと知りながら、それでも案さんに覚えていてほしい——」
あ、
「それや不二子はん。さすがやの」
へー

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