第8章 満開の桜 471話
川のせせらぎ。
ぼく様の心情は穏やかではない。
はて?
不二子が満開の桜の下を嬉しそうに歩いている。
ぼく様は一足早く岸辺で煙草をふかしていた。
水量がいつもより少ないな。
今日から雨が続く。
まあええか。
そんな事を考えていたよしろはん。
「よしろうはん、哲男さんは喜びましたか?」
ああ と無言でうなずく。
「そうでやしたか」
「ふじこはん?」
へー
「なんでっしゃろ」
うーん。
「いや、ま、ええわ」
うふふ。
「よしろうはん」
ん?
「お腹すきましたどすえ」
そうやな。
よし。
「近くの蕎麦屋でも食べに行くか」
へー
ふたりは桜をみながら仲良く手をつなぎ瓦蕎麦屋へ向かった。
不二子はよしろうの心中を知っていた。
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