第七章  生成不二子 三八二話

生成という現代の言葉を、ここにキャプチャーしておく。この文章が、いつの時代のものかは、これで推測がつく。

生成した不二子は、これまでの不二子と、どこか様子が違っていた。容姿だけの話やない。不二子は、自分がよしろうと結婚していることを、知らなかった。

「よしろうはん、なんでうちは、ここにいるんどすえ?」

は?

「ぼく様たち、夫婦やで」

「……夫婦? いつから?」

「最近や。去年の12月13日」

祇園にて 300話 

「そうなんどすか……覚えてまへん」

「忘れたんか、不二子はん」

「よしろうはんと暮らすんは、自然な感じがしますけど、記憶があらしまへん」

これは困った、とよしろうは思った。

怖い。これは本当のことなのだろうか、と不二子は思った。


 

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