第七章  目覚めた不二子 三八一話

いつしか、刻は三つほど流れていた。

水時計が暮六つを知らせる。

不二子は目覚めた。

よしろうはんは居なかった。

「ようけねむったな。世界が明るく見えますえ」 

不二子は立って鏡を見た。

驚かなかった。

鏡に映った自分は若い頃の不二子であった。

「ああ、若こなってんや」 

そこへよしろうが帰って来る。

「不二子はん起きたか。だいじょうぶか」 

「へー。こんなに変わってもうて、よしろうはんこそびっくりせーへんか」 

「どきっとしたで(笑)でも不二子やとすぐにわかったから安心したで」 

冷たい風が200年の古い家の隙間から入る。

「寒なった」

「へー」

ストーブと風呂を沸かすよしろう。

なにをか、考へてゐるやら。。

えへへ。やったで。

「不二子はん風呂湧いたで、入らへんか」

「へー。おおきに、そういたしますえ」

げっと!

「なら先に入って待ってるでぇ」

「へー」

よっしゃ

どぼん。

ええ湯や。

一刻が達ち、二刻も過ぎた。

独りで湯に浸かるだれかさん。 

ちゃんちゃん。 

 

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