第七章  若返った不二子 三八十話

なんやら、ぞわぞわするでぇ。

こんな時に限って、よしろうはんがおらへん。

なんやろ……身体が溶けてまいそうや。

熱か?

……あるわ。

どないしよ。
流行り風邪、うち、からきし弱いねん。

嗚呼、あかん……。

――バタリンコ。

半月後。

「不二子はん、ただいまやで」

……あれ?

不二子が倒れとる。

こら、あかん。

近寄って、よしろうはんは息を呑んだ。

不二子の様子が、どこかおかしい。

「不二子……?」

そこに眠っていたのは、
以前の不二子ではなかった。

若い。
あまりにも若い。

あの生成不二子や。 

触れるのさえ恐れ多い、美貌と気品。
その奥に、まだ残るあどけなさ。

「……これは……」

一拍おいて、

「ええなぁ」

超絶、自分本位。

よしろうはんは、そういう男であった。

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