第七章 若返った不二子 三八十話
なんやら、ぞわぞわするでぇ。
こんな時に限って、よしろうはんがおらへん。
なんやろ……身体が溶けてまいそうや。
熱か?
……あるわ。
どないしよ。
流行り風邪、うち、からきし弱いねん。
嗚呼、あかん……。
――バタリンコ。
*
半月後。
「不二子はん、ただいまやで」
……あれ?
不二子が倒れとる。
こら、あかん。
近寄って、よしろうはんは息を呑んだ。
不二子の様子が、どこかおかしい。
「不二子……?」
そこに眠っていたのは、
以前の不二子ではなかった。
若い。
あまりにも若い。
あの生成不二子や。
触れるのさえ恐れ多い、美貌と気品。
その奥に、まだ残るあどけなさ。
「……これは……」
一拍おいて、
「ええなぁ」
超絶、自分本位。
よしろうはんは、そういう男であった。
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