第二巻 第六章 不二子のかん違い 三七十話
よしろうはんが失踪して、数か月が経った。
不二子は不思議に思っていた。
あれだけ目障りだった芳朗が、今ではよしろうはんと同じように見えるのだ。
穏やかで、お茶目で、紳士で、真摯。
ちょっとエロいが、かなりエロいかどうかは違うけれど……不二子は嫌いではなかった。
(おい、崩壊するぞ、と心の声)
「なんでやろ、あんさんといると、よしろうはんと同じくらい落ち着きますわ」
「あたりまえやな。どっちもぼく様やで」
「ぼく様も、よしろうはんと呼んでええでぇ」
「同じに感じますさかい、そう致しますぇ」
「きょもお体無理せんよう、お仕事と学業励んでおくれやす。朝ごはんもできてますぇ」
(はー。不二子が愛される理由はこれか。今どき絶対言わん。所作も美しい)
「はい。ありがとう、不二子」
「いただきます」
「行ってきます」
軽トラぶるる……
また仲良く出来て嬉しいで、不二子はん
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