第8章 あめどすえ 473話

ただいま。

帰宅すると、不二子はいつも台所にいる。
物も言わず、目線だけがぼく様を見ている。

今日は、なにやら羨望のまなざし。
──どないした?

へー
「いえまへん……」

そうか。

「よしろうはん。雨どすえ」

 弥生の月雨。

「そうか。雨やのぅ」

へー

「雨やで、優しい雨や」 

不二子はん

え?

「ほんま、きれいやなぁ……」 

うふふ ……

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