第8章 みそ汁 476話
あらまぁ?
「鰹節もイリコもあらへんわ」
「よしろうはん、けさは御みそ汁なくてええか?」
「どないした?不二子のみそ汁、うまいで」
「ちょい貸してや」
へー
見渡すよしろう。
ふーん、ええ昆布あるな。たまねぎ、ねぎ……
おっ、山椒あるやん。白みそに赤味噌……里芋もあるで
「ちょっとつくるわ。不二子はん、お茶でも煎れて」
へー
昆布にすっと切れ込みを幾本も入れる。
ねぎはざくり、たまねぎと里芋は手慣れた包丁。
水から昆布とたまねぎ。
セオリー外しで、じわり火にかけ煮込む。
里芋、ねぎも放り込んで、ことこと。
火を止めて、白みそを溶く。
「不二子はん、味見て」
へー
「あら、お汁がとろとろ……美味しいこと。
でも、やっぱり香りが足らへんなぁ」
「よしきた」
ほんの少し、白だし。
仕上げに山椒の葉をひとつ。
「ほい」
「どうや?不二子」
「あらまぁ……美味しいこと。ええ香りやで(笑)」