第9章 隔離の中で 481話
40代の自分を思い出していた、よしろうはん。
彼は精神障害者として、双極性障害と認定されていた。
しかし、医師の処方する薬を飲めば飲むほど症状は悪化し、そのたびに隔離病棟へ送られた。
冷たい床。動物園の檻かと思うほど太い柵。むき出しのトイレ。
そこに彼は4か月間、入れられた。
すべてを諦めかけた、よしろうはん。
カメラマンとしての輝かしい実績も、遠い昔のように感じられた。
当初は暴れていた彼だが、やがて日数を数え始めた。
4か月もいると、さまざまな患者が隔離室に入ってくる。
観察を続けるうちに、大人しい人ほど早く出られることに気づく。
逆算すると、一か月で出られる。
そう考え、よしろうは意識して大人しくなった。
段階的に開放時間が伸びていく。
一か月後、彼は隔離病棟から一般病棟へと解放された。